大人になったら一度はしたい大人買い

何故だかやりたくなる

大人という年齢に差し掛かると、どこか気持ちが大きくなるもの。両親という枷から解放され、1人の人間として自立できるような年齢になる頃にはそれなりに安定した生活が送れるようになるもの。社会人、この場合は正規だろうと非正規だろうと関係なく、自分でようやく毎月一定額の給与を所得出来るようになった年齢に差し掛かれば当然、そのお金で毎月の生活をすることになる。最近だと正規だ非正規だ、ブラックだホワイトだ、フリーターだニートだと、色々と騒がしいがここでは正直そんなことはどうでもいいとしておく。

経済的に自活できるようになったと言っても、これまでと同様の働き方ばかりが通用する世の中ではない。中には在宅で生計を立てているフリーランスの仕事をしている人もいる、彼らは企業に雇われていないから負け組なのかというと、そういうことでもないだろう。企業に雇われていれば余程仕事ができないなどの問題を抱えていなければ、そのまま定年まで働こうとする人は多いはず。非正規でそんなことないだろうが、とにかくそういった身分に関係なく、仕事ができるようになってお金を自分の力で稼げるようになると、やりたくなることがある。それは特定の商品を全て購入するという『大人買い』だ。

男性にしろ女性にしろ、自分が好きなモノはとにかく一気に買ってみたいと考えるものではないだろうか。筆者はそうだ、特に情熱を傾けているものであれば正直いくら投資しようが関係ない。ただその矛先がどうしてもアチラコチラと欲しいと思うものが多すぎるため、大人買いをすると言っても最終的に理性というセーフティが起動する方なのでまだマシな方かもしれない。本物の大人買いというのはお金という存在に糸目をつけないもの、ここぞとばかりにお金の力に物言わせて購入する人もいるがよくよく考えてみると大人買いという、一気買いがいつ頃から言葉として世間一般に知られるようになり、使われるようになったのかを少し考えてみよう。

原点はやっぱり

大人買いのルーツというものを紐解いていくとやはり定番中の定番となっている説として、キーワードになっているのは『オタク』だ。まぁ言わなくてもわかっていたかもしれないが、今でこそオタクは日本の文化などとも呼ばれるようになったご時世だが、大人買いというオタク恒例の儀式が登場した当時は正直オタクというものは世間から毛嫌いされていた存在だった。そしてそんな当時のオタクたちがどうして大人買いなどというムーブメントが生まれるようになったのかというと、2000年頃に丁度流行していたあるブームがターニングポイントとなっている。

この頃には既にオタク用語として大人買いという言葉が登場するようになっていたが、食玩ブームがあったことを覚えているだろうか。この時話題となっていた食玩としては、

  • (1)ペプシ・コーラのボトルキャップ
  • (2)チョコエッグのおまけ
  • (3)パローキティブーム

などといったものが登場したことで、多くのファンを獲得したことによって同一商品を一気に買い漁る人が出てきたと考えられている。何をそこまで夢中になっていたのかといえば、よくご存知かと思うがおまけの中でも同じような見た目ながら微妙に違うデザインとなっていたり、中には滅多に手に入らないようなシークレット的な存在が発売されていたこともあって、なんとしても手に入れたいというコレクター魂が発揮したことによる衝動買いに等しい行動だ。

こうして冷静に書いてみると、何をしているんだろうと思う。ただこうした行動は現在まで続く大人買いの原点となり、今では広辞苑にも『大人買い』という言葉が記録されるようになるなど、日本ならではの一般用語へと進化するまでに発展する。

そもそも語源は

大人買いは始まった歴史については述べたが、そもそも言葉としてはいつから誕生したのかを考えてみる。ブームが確実に広がるようになっていった頃には既に誕生したと言われており、その始まりとなる言葉そのものが登場したのはブームというものが出る前の『1994年』には言葉を生み出したと考えられる台詞がある。当時発行された書籍でもある『こんなもんいかがっすかぁ』という書籍の中で使われた言葉が起源と言われている。その言葉とは、『箱で買うのはオトナだから』という内容だ。

ただこの言葉に関してもあくまで影響を与えただけと言われており、根源的なところでこの発言で大人買いという言葉が生み出されたかどうかは定かではないとも考えられる。他にもマスコミが食玩をまとめ買いしている人たちを紹介するにあたって紹介した、また大人買いという言葉はネットスラングから登場したとも言われており、その活用方法や生み出された経緯についてははっきりと定かではないという。今でこそ平気で使用しているが大元の起源となった経緯が分からないというのも、一種の時代なのかもしれない。

大人買いが世間に認知されるようになるまで

その後オタク業界ではもちろん大人買いという言葉は広く認知されるようになっていく中で、2000年代中頃になると様々な業界でも使用されるようになる。それこそオタク趣味とは無縁の生活をしている人たちでも使用されるようになっていったのが、まとめ買いについて紹介する雑誌や新聞、さらにネット社会の影響からくる情報により広く、一般的な知名度を獲得するようになっていったという。

当時こそ完全なオタク用語だったが、オタク文化が世界に認められるようになっていった世界では大人買いという存在を公然と受け入れている人たちが増えていった。またヲタクの世界とは無縁の人たちも、ここぞとばかりに欲しいものがあれば大量買いをする人も続出するようになり、中にはそんな大量買出来るような高級品を買って大人買いなどと自慢する人も出てくるようになった。色々な意味で言えば働きやすくなったのかもしれないが、同時に大人買いという存在に意味深的な恐怖を感じる部分も根っこにある。